茨城三日目。静かな日。女性誌の表紙が微笑んでいる。肌のきれいな女性が頬に手をそえて、意味ありげな表情をしている。女性誌は普段隠している楽屋話ばかりが集積された読み物だ。『花開け!私の美女種(びじょだね)!』『強敵、鼻毛穴、根こそぎクリアせよ!』隠すこと自体を、嘘とは思わない。男性と心打ち解けて仲良くなろうとするのは失礼だ。そのまま隠しているのが最も良いのだと今は思う。
女性は女性特有の煙幕を自ら望んでまとっている。私個人は、生きていく内には暗い影も悲しい影もあって当然で、それを考えるのを止して常に微笑する人には、なれないなと思う。
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