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人間になればよかった...
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頭痛から始まった朝は、重たい疲労感の夜で終わりそうだ。体調が悪い割には、自分の仕事をきちんとこなせたと思う。でもこういう日は記録には向かない。いっそ今日を思い出す手がかりを作らないことにした。
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S先生のバレエ教室で、夢のような稽古をしたあと、帰り道にドラックストアに寄って、店員さんに先週忘れてきた買物袋の件をおそるおそる申し出た。レジの方は先週とは違う方らしく、えっ?と乱暴に聞き返して、ばかな人ねえ、という表情を隠そうともせず、そちらでお待ち下さいねと言う。恥ずかしくてたまらず、かみしめた歯が痛かった。普段からぼんやりしているから、こういう目に遭うのだった。
昔なら歩きながら泣いてしまったかも知れないが、35歳にもなって涙を流していたら、それは阿呆の極みでしゃれにもならない。もうわすれろ、わすれろ、と自分に呟き、失敗の記憶を強化した。家に帰ってから、熱が出た。たぶん知恵熱だと思う。
焼酎をぶら下げ、電車を一時間乗り継いで、恩師の住むC駅へ行く。わたしたち夫婦の大恩人T先生を囲んでの飲み会があり、全部で五人の少人数で養老の滝に集まった。先生は毎晩ここで一人で飲んでいるらしく、飲み屋の中はほとんど全員常連客、あの人ほんとうは偉い人なんだよ、という声が後ろから聞こえた。ぼろぼろのズボンを履いている先生は平然と飲んでいる。去年喜寿だったというので、皆でお金を出し合って買った焼酎と江戸切り子のグラスをプレゼントすると、先生は、ほんとうに嬉しそうに、もどかしげに包みを開き、グラスを天に掲げるようにして、おお、と言った。
皆、やったね。先生、いつまでもお元気でいて下さい。
小学校へ行って、今年最後の集団下校に参加する。黄色い校帽がグランドいっぱいに並び、地域ごとに蛇のように歩いて行く。保護者も後からゆっくりとついていく。非常時にどの程度役に立つか判らない、無意味な集団のようだけど、それでも、子供達に対する責任がゆるやかに生まれてくる気がする。あつまる、ということは、大切なことなのかも知れない。
不得手なことも、続けていればそのうち良さが判るだろう。
先日、洗濯乾燥機で半壊したペンをH駅の雑貨屋で探す。色違いが数本あり、それぞれバニラやピーチの香りがついている。子供ってこんなの好きだよなあ、と昔の気持を思いだそうとしてみるも、少しもわからない。水色と黒のペンを2本購入して、ポップな柄の袋に入れてもらった。
家に戻り、娘の友達が自転車に乗って遊びにくる。大騒ぎして遊んだあと、夕暮れ、一人で帰るのが怖いというので、大人の私が相棒の自転車を借りて、近所まで送ることにした。暮れかかった道をその子と併走していると、ぽつり、ぽつりと悩み相談を受けた。家に帰りたくない、と言う。小さく、震えるような声だった。困ったことあったら電話して、と別れ際に言うと、ありがとう、と大人みたいに静かに言って、自転車を立ち乗りこぎして帰って行った。
茨城から戻る特急電車、義母はいつもの通りホームまで一緒だ、娘は窓で義母と手を合わせ、また来週ね、の儀式をする。
時間が経つことを恐れてはいけないと思う。時間が経つのはいいことなのだ。沢山、たてばたつほど、いいことなのだ。どんなことも、喜びも悲しみも、みな引き受けるんだ。
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