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人間になればよかった...
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泣くのは、三秒。
ご飯食べてる、
人の場所、とってる、
字を書くと、まともになるなんて、事はあり得ない。
狡くなるだけだ。

だって、そんな風に、生きてない。
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煙草を一本吸う度、寒くなる。上着を増やして、また吸う。原稿に向かっているからじゃない。吸いたくないが、また火をつける。台所、ガスコンロに青い火が円く点っている。手をかざして暖をとる。
仕方がない、また一本吸う。もう煙草がない。何もできなくてゾッとしてきた。
仕事、あまり進まない。1行でもと思いながら。
合間に青空を見る。娘は新学期、相棒は撮影準備、ベランダで洗濯物を干していると、それぞれ知らない時間は沢山あるものだと思う。登場人物だって、膨大な日常時間を過ごしている筈なのだった。私の知らない時間があってもいいんだ。家族との付き合い方と同じだ。
まだ、目鼻立ちもない、不気味な影だけが桜の下に立っている。これじゃお化けみたいだ。桜が散り始めて、緑の葉が見えてきた。
さくら、さくら、
おまえは、どこを見ているか。
いっぱい、人がいるだろう。
いっぱい、光があたるだろう。
寂しいな。
今日はほんとに、寂しいな。
K井草駅という駅へ行く。電車の発車メロディが機動戦士ガンダムだったのでちょっと笑った。ここはアニメの町を名乗っているとのこと。去年、いとこのMちゃんが上京したのに続き、今度は弟のAくんが北海道を離れて、この町で暮らす為にやってきた。軽音楽の専門学校で作曲と唄を学ぶとのこと、表情は明るく、不安そうな気配はない。
自分が上京した17年前、ほとんど面識のなかった東京の叔父という人が、不動産を回って新しい部屋を世話してくれた。顔も知らない姪の為に随分色々と骨折ってくれたのだが、別れ際に真顔で、あざらしちゃん、帰れ、と言った。映画の専門学校なんてな、そんな世界で芽が出る人なんか、ほんの一握りだ。諦めて帰れよ。
Aくんを見ていたら、叔父の言葉がしきりと思い出されて、あの半開きの何か言いたそうな口や、叔父の心配そうな目を思い、自分は本当に恩を受けたと思った。後になってから判ることって沢山あるよ、とAくんに言うと、そうかな、と軽い調子で笑っていた。
電車に乗って都心のA駅へ出かける。お濠には緑色の水が満ちていた。東京の水鳥は澄まし顔だ。沢山の人が桜の下で写真を撮っていた。
超高層ホテルのひとつ、静かな白い喫茶室で、M監督と打ち合わせをした。暮らしていると色々と思いがけない事が起きるが、監督との出会いもそうだと思う。初めはどんな事も不可能に見え、終わってみると終わっている。人からあなたに出来ますか、と問いかけられることを、喜びと思わなければ、生きていく甲斐がない。
帰り、東京の水鳥に混じって、あひるの玩具が浮いているのを見た。
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