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人間になればよかった...
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近所の竹藪が、一晩中、さらさらと強風で音をたてていた。
黒く動いていたものは、夜明けと共にいなくなった。
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夏のように暑い日。お母さん友達のYさんとランチをする。エアコンの効いた店内で、鱸のポワレや美味しいパンを食べていたら、今度から、名字じゃなくて、下の名前で呼んでいいかな?と、不意に聞かれた。
勿論いいよ、と答えると、私の方も『さん』付けじゃなくて、せめて『ちゃん』で呼んで~、と言う。今まで沢山のお母さん達と知り合ったけれど、下の名前で呼びかけた事は一度もない。親しさの度合いに関わらず全員にそうしている。Yさんは私の態度を他人行儀に感じていたのかも知れない。思い切って、一度やってみようかと、自分のスタンスを変えてみる決心をした。
それで、帰り道、お互いをちゃんで呼び合う練習をした。
……わたし、という人間は、業が深く、いい加減のくせに、しつこくて、あきらめ悪いから、この世界で出会った事、いい終わりは勿論、悪い終わりだって、忘れたくない。残らず持っていたい。全部、全部、持っていたい。抽出され、変形し、原型を留めない思い出でも、一つも手放したくない。全部、全部、全部、ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶだ。全部、忘れたくない。死んだ後も、持っていたいんだ。
ああ、黄色いアゲハ蝶。
電車に乗ってI駅へ行く。予約した時間丁度にドアに入ると、いつも髪を切ってくれる店長さんが笑って迎えてくれた。今日は素直に話が出来て、会話が弾み、互いに打ち解けて、不思議なほど深いところまで降りた。スタッフさんの感触が急に解り、相手の方も、この人はこんな人か、というのが解ったように話してくれたので、ただ髪を切りに行った筈が、それ以上のコミュニケーションの快適さを感じた。相手も人で、いい仕事をしようと願っている。なんでそれを、苦手だとか、怖いと思っていたんだろう。
仕上がりを見せてもらったら、意志の疎通が完璧だった。
誰もが素晴らしい人生を約束されている訳じゃない。義眼の祖母がそうだったように、生い立ちから苦しく悲しく生涯を終えてしまう人もいる。恨みやしこりで後半まで台無しにする人もいる。不満だけで殆ど終ってしまう人もいる。自分はそうじゃない。充分に大切にしてくれた人がいた。自分は孤独じゃない。
相棒のO’sEditor2が完成した。お疲れ様。
今日は電車に乗って羽田空港へ行く。実姉の旦那Oさんが仕事で使う特殊免許を取るために北海道から上京した。東京でしか開かれない研修を2週間受講するそうだ。朝晩休みなく受けるそうで、Oさん受講が終わったら総白髪になるねと言ったら、歩いて帰れないかもしれない、と苦笑いしていた。
モノレールの浮き上がった特有の景観が、幅の広い藍色の川や人のいないビル群の間を滑るように走っていく。Oさんの横顔を見ると、なるようになるさ、という顔で、観念したように外を見ている。免許は会社の命運を賭けたものだ、という話を私は姉から聞いていた。
広すぎる東京が見える。自分が初めて見た時は何を考えたのか、もう思い出せない。
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