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人間になればよかった...
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設問33 そこから逃げ出したいのなら、そこから逃げるための言葉を探しなさい。
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床を這う、点が、1㎜、ずれた。明日から自分は生まれ出る。時の無限。古い過去も生まれて1㎜、並んで隣り。
ほんとうの場所は、言葉など考えていないことを知った。
心が折れた。本当に動けない。長期戦。
神道について調べている。といっても読み易いものを二三、手をつけただけで、仕事をしているとは到底言いがたい。信仰は家庭環境や地域に慣れ親しんだ形が受け継がれていくケースが多いように思うが、日本人で北海道の辺境に育った自分の場合、信仰には心の仕切りがあり、神様と仏様は冠婚葬祭で交互に現れ、キリスト様は空にお住まいで、アラーの神様は遠方の国にといった具合に分かれている。そしてアイヌの神様まで考え出すと、歳を重ねても宗教観が統一されるという気配すらないのである。自分はご先祖様、他者、家族友人、地域の在り方を拒絶したくないという消極的理由から、全てを曖昧にとかし込むスープの中にたゆたうように暮している。神様を信じていないといえば嘘だが、その信じ方が、それぞれの神様の均等な配置を前提にして、きわどいバランスで並べていると言わざるをえない。
私の父は昔、白く光る銀色の狐を見た事があるそうだ。広い草原の真ん中がそこだけ発光していて、見たら狐の親子だった。普段見慣れた狐とはまるで違っていたらしい。それは本当の神さんに間違いない、お前は運がいいといって、祖父は神棚に酒を捧げ、家族総出で近所の神社に御礼のお参りに行ったそうだ。そんな父のせいで、実家の神棚はいつも大切にされていた。
考え過ぎると、字を綴る感覚も、調味料を入れすぎた料理のように、味が判らなくなる。何度も水を沸かしては出汁を作り、また捨てるようなことを数時間くりかえしやっていた。もう時間が経ちすぎた。茨城の部屋は芯まで凍りついて、室内でありながら吐く息が白い。肺を上下させて、すっかり遠のいてしまった眠気を、がっかりして見送って、自分の未熟さをかみしめる。でも他に出来ることがないから、何度でも過ちを繰り返して、少しでも進めるように続けている。字を正確に書けるようになりたい。それしか望まない。
仕事休憩、着替えてバレエに行ってしまった。日記には記さないが、週に3回から4回運動するサイクルは続いている。健康を維持しながら書き仕事が出来たら凄いのだけど、多分、締め切りが近くなるにつれて暮らしの矛盾が手に負えなくなるだろう。やりかけた事を中断するのは厭だけど、出来ないものは出来ない。それが出来たら世間の脚本家の方達が胃に潰瘍作って血反吐を吐いたり、不眠の薬を飲んだり、突然立ち上がってビルから飛び降りたりする光景を繰り広げる訳がないのだった。
観客は何を基準に、物語の本当らしさと嘘らしさを見分けるのだろう。よくよく考えれば判らなくなる。
師匠のお宅で、師匠の師匠にあたる鈴木清順監督とお話する機会を得た事がある。「みんな、映画に非常識を求めて観に来るように思っているが、本当は、常識を観に来るんです。」と仰っていた。奇想天外な映画で人を煙に巻く大監督が、そんな事を考えていたのかと印象に残っている。自分も自分なりの基準を持たなくてはいけない。
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