昨夜降った雨のお蔭で、朝は空気が澄んでいた。花粉が飛び始まらないうちにジャージに着替えた。茨城での週末は家の周りを15分程度走るのが習慣になってきた。今日はスピードを上げようと思いながら、近所の広い野原の辺りを走る。脳に余分な栄養があるのか、最初のうち頭はお喋りばかりする。徐々に苦しさから逃れる為にあらゆる空想を考えだす。そのうち頭の声も減っていき、呼吸だけになる。丁度15分のタイマーが鳴る。
家に戻ると、Wiiボードのランニングゲームで、娘が景気よく足踏みして走っていた。ゲーム世界の景色には美しい虹や滝があり、大勢の人が手を振って娘を応援していた。なんだかなあと思う。
相棒から仕事メールが来る。先日ハゲをこさえて書いた原稿が、仕事先の方になんとか及第点をいただけたらしい。良かった。細部を直す作業に取り組む事を許された。次のステップに行けるだけでも感謝。またハゲの作り直しだけど、ひるまずやろう。
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小学校に行って、役員の最後の仕事をした。お母さん達と印刷物を整理したり、今学期の反省などを報告して終わる。会議室にドーナツとコーヒーが配られて、輪になって世間話をした。多くの女性は、和やかな場でリラックスする時間が格別好きなのだと思う。自分は感動やら楽しさやらは確かにあるのだが、皆と共通しないものを楽しみ、面白がっているのだと思わずにはいられない。だから、微笑は若干歪み、言葉を発するまで二重三重もの枷があるようで、なにか宇宙でのスローモーションの動作のように、自分の足が浮きあがる感じがする。
楽器が互いに反響し合うかのように、普段聞く機会のない話が飛び交うのを見、円の美しさに悲しくなり、せめてよく覚えてシナリオ生活の足しにしようと思い、頷きながら聞いた。
楽器が互いに反響し合うかのように、普段聞く機会のない話が飛び交うのを見、円の美しさに悲しくなり、せめてよく覚えてシナリオ生活の足しにしようと思い、頷きながら聞いた。
八歳の娘には、学校の登下校を共にする女の子がいる。小柄な子で、歩くのが遅く、朝などいつも遅刻ぎりぎりだ。娘と女の子は肩を組んで、ふたりはだいしんゆう、などと言いあっているが、その割には激烈な喧嘩をしたり、びっくりするような大人っぽい理由を持ち出して互いを批判したりする。仲がいいのか悪いのか、黄色い校帽をかぶった二人がランドセルを背負って往き来する様子を、2年間マンションの窓から見送ってきた。この度女の子のお引っ越しが決まり、二人はますます仲良くなってきた。今朝も窓から見ていると、ほとんどくっつくようにして帽子が歩いている。私はさぞや別れが悲しいだろうと思い、娘にそう聞くと、全然と言う。娘はお別れの日を絶対考えないようにしているの、と私に言った。女の子の方もそうしているらしい。子供って偉いなと思う。
H町駅の友人に会いに行く。先週と同じ喫茶店で、同じ座席に座って二人で話す。新しい職場に明日、初出勤だという。今心配なことある?と彼女に聞くと、ない、とにかくやってみてそれから考える、と彼女の癖である、出たところ勝負の言葉が聞けた。
お昼にハンバーガーなど食べながら、昔の話も少しする。彼女と再会した初期の頃は、彼女は真直ぐに歩く事も出来なくて、たえず細かく震えていた。テーブルの下を徘徊しているらしい黒い鳥の幻覚を、目で追いかけていた。彼女が現在仕事を持ち、自分を養っている、そのことは私にとっては当たり前ではなく、世間にとっては何を興奮しているんだ、ということになるだろうが、一緒に模索してきた現在進行形の未来なのだった。
頑張って、とありきたりの言葉を爆弾のようにぽいっと投げると、彼女は今日は有り難うね、と言って、私の言葉を片手で受け取った。そんな風にお互いに給油しながら、いつも別れる。
お昼にハンバーガーなど食べながら、昔の話も少しする。彼女と再会した初期の頃は、彼女は真直ぐに歩く事も出来なくて、たえず細かく震えていた。テーブルの下を徘徊しているらしい黒い鳥の幻覚を、目で追いかけていた。彼女が現在仕事を持ち、自分を養っている、そのことは私にとっては当たり前ではなく、世間にとっては何を興奮しているんだ、ということになるだろうが、一緒に模索してきた現在進行形の未来なのだった。
頑張って、とありきたりの言葉を爆弾のようにぽいっと投げると、彼女は今日は有り難うね、と言って、私の言葉を片手で受け取った。そんな風にお互いに給油しながら、いつも別れる。