茨城の庭は、草がぼうぼうに生えて真緑になっていた。この前刈った所だけ、かろうじて半分の丈になっている。あいにく朝から雨だったので、得意の草刈り機を使うことが出来ない。義母が、樹の根元で野鳥が卵を抱いているという情報を教えてくれた。二週間ずっと同じ場所にいて、義母は気がかりで毎日様子を見に行くのだと言う。小降りになった頃を見計らって、娘とその場所に行ってみると、すぐ足元、草の上に茶色い木の皮のようなものがあり、よく見るとそれが鳥だった。羽根を広げたまま平たく伏せるようにして、身じろぎ一つしない。今何を考えているのだろう。人間の気配はきっと感じているに違いない。こんな人家の側で危険な格好で伏せているなんて、鳥の中ではきっと賢くはないと思う。野鳥が卵をかえすまでは、周辺の草は刈らないことにし、一応は応援する方向で見守る事になった。
PR