雪がみぞれになって降る珍しい日。夕方に娘を相棒に預けて、大都会S駅にある成人指定映画館へ初めて出かけた。元同期のMくんが書いた作品が映画化されて、今日はその初日だった。裸の女性が大写しになった看板の間をくぐって階段を降りていくと、がらんと静まりかえったロビー、数人の男性がゆっくりと歩いている。暗い劇場に入るのは正直勇気がいったが、Mくんがついていてくれたので随分心強かった。
映画は音響設備があまり良くなくて、聞き取りにくいシーンが幾つかあったが、画だけでも大体概要はつかめた。ピンク映画でありながら宗教的奇跡を題材にして、扇情的というよりは清らかな印象さえあった不思議な作品だったと思う。しかし人は、どうして人はこんな苦しい思いをして生きているのだろう、という疑問が、個人的な疑問が頭を巡っていた。私にとっては性交にうち震える二人のラストも罪を思わせるものでしかなかった。
Mくんはもっと殺伐とした世界観で描いていたそうだが、映画の印象はかなり柔らかいもので、監督の計算がどのように働いたのかも興味深かった。来月の月刊シナリオに掲載されるそうなので読んでみようと思う。
映画は音響設備があまり良くなくて、聞き取りにくいシーンが幾つかあったが、画だけでも大体概要はつかめた。ピンク映画でありながら宗教的奇跡を題材にして、扇情的というよりは清らかな印象さえあった不思議な作品だったと思う。しかし人は、どうして人はこんな苦しい思いをして生きているのだろう、という疑問が、個人的な疑問が頭を巡っていた。私にとっては性交にうち震える二人のラストも罪を思わせるものでしかなかった。
Mくんはもっと殺伐とした世界観で描いていたそうだが、映画の印象はかなり柔らかいもので、監督の計算がどのように働いたのかも興味深かった。来月の月刊シナリオに掲載されるそうなので読んでみようと思う。