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人間になればよかった...
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B先生の教室に向かう道、いつもの空き地に茶色い蝶が3匹飛んでいた。ここは人間が眺めるには適さない汚れた場所だ。そうだちっとも綺麗ではない、そんな風に思ってみても、胸の中の感傷は一向に解決しない。なにも頑張って飛んでいる訳じゃない、好きでそうしているんだ。ただ一回の死が、どうしてこんなに恐ろしいのだろう。
夕暮れ、家族と電車に乗って大都会S駅へ行く。レンタルビデオを返して、沖縄そばを食べた。
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仕事の原作本を読んで、考えだして一日。難しいけれど面白そうだ。難しいというのは物語の舞台が会社であるからで、スーツ姿で勤め人をした事のない自分には縁の遠い世界だからだ。登場人物はみな魅力的だ。
面白い仕事になるよう、誤読しないようにと、本の表紙を触ったり頭に乗せたり、なんとなく机に置いてみたりして、付き合い方を模索している。つたない自分がやっと見つけた、いつもの方法だった。どうせこの後、脳から血が出るほど付き合うことになるのだから、そうしている。仕事の内容の話は先方にご迷惑をかけるといけないので、日記上で話題にすることはこれで最後にするけれど、良い仕事になるように自分なりの工夫をしていこう。
茨城から自宅に戻ってくると、新しい仕事先から原作本が届いていた。ビニールを破ると見たことのある表紙が現れた。割と有名な小説だった。上手くいくかどうかは時の運、急に実力が増える訳もないのだから、精一杯やろうと決める。自分の資質が依頼して下さった方の要望に合っているといいのだけれど、こればかりは蓋を開けてみなければ判らない。
娘はもうすぐ春休み、書く時間をどうやって捻出しようか。
週末、茨城。ひな人形の雛段を片付けた。人形の顔を紙で被い、目隠しするように紐で結わえる。顔を覆った人形達はじっと座っている。一年間は暗闇の中、夜毎にしくしく泣き出す場面を想像して、乱暴には仕舞えない。
茨城の空は流れる雲でいっぱいだった。平行に、どこまでも続く美しい時間と競争するように風が流れていく。
つらい昨日も、遠ざかっていく。
来週から新しい仕事が始まる。今度の仕事は4人の女性チームで脚本を練るのだそうで、初めてのやり方だ。また身体をボロボロにしても、書くのはたのし、で頑張ろう。
書いていれば、きっと何処かに着くだろう。
とても苦しかったけれど、小林秀雄のことを思い、君は君自身でい給え、と書いていたことを思っていた。世間では何もなかったことになっていた。太陽も、薄青い空も自分一人で歯ぎしりを噛んで、我慢しなければならなかった。大切な人を大切にするために、私はなんとしても、この時間を我慢しなければならなかった。
化け物のような甘い夢が、いつまでも頭に巣くっていた。
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