なんだかスッキリしない。I駅の美容院に行って、髪を切って貰った。床に沢山の髪の毛が落ちた。いつもの店長さんは同時に3人の客を相手にしながら、時折戻ってきては、ニコニコして、じょきじょきと切った。
字を見るのが辛い、賭けない、書けない、のサイクルをずっと繰り返している。今の時代、本気になった事に結局敗れて、三流、戦力外としての自己を再確認するということは、よくある事かも知れない。でも自分は、字が辛くなると、何を考えていいのか自分が判らなくなる。氾濫する情報を真正直に受け取って、私は病気のアメーバになりかかっているのかも知れない。
私というのは偏りだ。偏っていい。千回やらないと後悔する。でも、いつになったら進歩があるだろう。
字を見るのが辛い、賭けない、書けない、のサイクルをずっと繰り返している。今の時代、本気になった事に結局敗れて、三流、戦力外としての自己を再確認するということは、よくある事かも知れない。でも自分は、字が辛くなると、何を考えていいのか自分が判らなくなる。氾濫する情報を真正直に受け取って、私は病気のアメーバになりかかっているのかも知れない。
私というのは偏りだ。偏っていい。千回やらないと後悔する。でも、いつになったら進歩があるだろう。
バレエのS先生が客演で舞台に立つというので、1幕だけ観るつもりでA子さんと会場へ向かった。習って随分と経つのに私は生の発表会というものを見た事がなかった。集まる客は家族や知りあいが大半で、出演に十万、二十万はかかって当然というバレエ教室事情の『常識』には馴染めないものを感じていた。勿論そうであっても一向悪くはないけれど、自分はなんとなく足が向かなかった、今日はS先生とA子さん、という気安さで、行ってみる気になっただけで期待はしていなかった。
これが、予想外によかった。舞台装置も美術もいくらかかったのか、巨大な森の背景の中、子供達が皆、操り人形のように揃いの衣装で踊っている。S先生もいた。上級者ばかりの『眠りの森の美女』では、主役も脇役もプロの技量とは違っていても美しく、素直な気持で拍手を送ることが出来た。出来るだけ最良の舞台を創る、というのが教室の良心なら、なるほど、バレエにはお金がかかる、ということがよく判った。
一幕の筈が、とうとう最後まで観てしまった。三時間もいたことになる。駅へ向かう途中も、心はまだ舞台のことを考えていた。「良かったね、面白くて……」とA子さんに言うと「面白かったですね……」と答えた。私達の教室には発表会がないから、人前に立つ機会はなさそうだ。A子さんも物思うことがあったのかも知れない。
これが、予想外によかった。舞台装置も美術もいくらかかったのか、巨大な森の背景の中、子供達が皆、操り人形のように揃いの衣装で踊っている。S先生もいた。上級者ばかりの『眠りの森の美女』では、主役も脇役もプロの技量とは違っていても美しく、素直な気持で拍手を送ることが出来た。出来るだけ最良の舞台を創る、というのが教室の良心なら、なるほど、バレエにはお金がかかる、ということがよく判った。
一幕の筈が、とうとう最後まで観てしまった。三時間もいたことになる。駅へ向かう途中も、心はまだ舞台のことを考えていた。「良かったね、面白くて……」とA子さんに言うと「面白かったですね……」と答えた。私達の教室には発表会がないから、人前に立つ機会はなさそうだ。A子さんも物思うことがあったのかも知れない。